2026年8月25日、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)のヘルプ「ポリシーの概要」にある「ビジネス拠点の変更」の記述が書き換わっているのを確認しました。前日24日に見たときは変更前の文面でしたので、書き換えが入ったのはその間ということになります。追加されたのは、次の一文です。

ビジネスが移転した場合は、既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで、新しいビジネス拠点でビジネス プロフィールを作成する必要があります。
これまで移転の扱いは、重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する というヘルプページで、次のように案内されてきました。
ビジネスが移転した場合は、新しい拠点のビジネス プロフィールを新しく作成しないでください。代わりに、既存のプロフィールを新しい住所に更新してください。詳しくは、ビジネス プロフィールでビジネスの住所を追加、編集する方法をご覧ください。
クチコミや写真といった資産を引き継ぎたい事業者は、この記述を根拠に住所の更新で対応してきました。今回の一文は、その逆を求めるものです。
ただし話はそう単純ではなく、「重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する」のほうは、執筆時点でも「新しく作成しないでください」と書かれたままです。しかもこの食い違いは、今回の書き換えではじめて生まれたものではありません。この記事では、何がどう変わったのか、公式ヘルプの中でどこがどう食い違っているのか、そして実務としていま何を選ぶべきかを整理します。
追加されたのは「移転したら閉業マークを付けて作り直す」という一文
書き換わったのは、Google ビジネス プロフィールのポリシーの概要 の「ビジネス拠点の変更」という項目です。2026年8月25日時点の記述は次のとおりです。
ビジネスの物理的な実態が顧客体験に直結している場合(飲食店、宿泊施設、エンターテイメント施設など)、ビジネス拠点の編集は拒否されます。
- ビジネスが移転した場合は、既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで、新しいビジネス拠点でビジネス プロフィールを作成する必要があります。
- ビジネス拠点は変わっていないものの、間違った住所を修正する必要がある場合は、Google にお問い合わせください。
書き換わる前の同じ項目は、次の文面でした。
販売者はビジネス拠点を正確に表す必要があります。ビジネス拠点を大幅に変更する編集は拒否されます。詳しくは、不実表示に関するポリシーをご覧ください。
ビジネス プロフィールに表示される情報(ビジネスの住所など)は、Google マップ ユーザーからの投稿など、さまざまな情報源から集められています。Google がビジネス プロフィールの情報を入手する方法と、それらの用途についての記事をご覧ください。
変更前の記述で拒否の対象とされていたのは、「ビジネス拠点を大幅に変更する編集」です。裏を返せば、大幅とは言えない範囲の拠点の変更までは拒否されないと読める書き方でした。後半は不実表示に関するポリシーへの誘導と、Googleがビジネス情報をどこから集めているかの説明で、移転したときに事業者が何をすればいいのかまでは書かれていなかったわけです。
今回の改定では、移転したときに何をすべきかが書き加えられました。しかも「してもよい」ではなく「する必要があります」という書き方です。あわせて、拒否の対象も「大幅に変更する編集」から「ビジネス拠点の編集」へと変わり、飲食店・宿泊施設・エンターテイメント施設といった業種では、拠点の住所編集そのものが許可されないという書き方になりました。英語版でも同じ趣旨の文言(you must mark the existing profile as permanently closed and create a new Business Profile at the new location)が確認できます。

これが実務にとって大きいのは、ビジネス名を変えない、同じビジネスの移転であっても作り直しが必要だと読み取れる点です。
移転に加え、店名がまるごと変わるようなケースであれば、これまでも「新しいビジネス」とみなされ、既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで新しい名前で作成することが求められてきました(Google に掲載するビジネス情報のガイドライン)。実質的に別の店になっているなら新規作成が必要、という線引きは以前から存在していたわけで、今回の改定でもそこは変わりません。
今回の記述が新しいのはその先です。焦点になるのは、「物理的な実態」という記述をどのように解釈するかという点です。建物の造りや広さ、駅からの距離、近くに景勝地があるかどうかといった物理的な条件そのものが顧客体験に直結している業種の場合、ビジネス名も業態もそのままで移転しても、移転後はその条件が変わることになります。ポリシーの概要は、そうしたケースについて、同じビジネスプロフィールを住所変更で引き継ぐのではなく、閉業マークを付けて新しく作成することを必須としている、と読み取れます。
英語版の同じ箇所は「businesses whose physical identity is directly tied to customer experience(e.g., dining, lodging, or entertainment venues)」となっており、physical identity という語が使われています。その場所にあることが、その店自体を形づくっているというニュアンスですので、建物や立地の条件を含めて読む解釈は、英語版と照らしても無理がないように思えます。ただし、駅からの距離や周辺環境といった建物の外側の条件までが含まれるのかどうかは、この一文だけでは確定できません。
公式ヘルプ内の食い違いは、今回はじめて生まれたわけではない
冒頭で引用した「新しく作成しないでください。代わりに、既存のプロフィールを新しい住所に更新してください」は、重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する の「ビジネスが新しい拠点に移転した場合」という項目に書かれているものです。このページを2026年8月25日時点で確認したところ、記述は以前のまま残っていました。ポリシーの概要は「閉業マークを付けて新規作成」、重複のヘルプは「新規作成しないで住所を更新」。正反対の指示が、同じ日の公式ヘルプ上に併存している状態です。
ただ、ここで注意したいのは、この食い違いが今回の書き換えで突然生まれたわけではない、という点です。
改定前:拒否されることは書かれていても、その先が無かった
前章で引用したとおり、変更前のポリシーの概要にも「ビジネス拠点を大幅に変更する編集は拒否されます」という一文はありました。一方で重複のヘルプは「既存のプロフィールを新しい住所に更新してください」。遠方へ移転した事業者がヘルプの指示どおりに住所を更新しようとすると、その編集はポリシー側で拒否対象とされているという構図です。
しかも、拒否されたあとどうすればいいのかは、どちらのページにも書かれていませんでした。そのため実務の現場では、近距離の移転は住所の更新で対応し、商圏が大きく変わるような移転については、停止されやすいことから、移転として処理せず、既存のビジネスプロフィールを閉業とし、新たにビジネスプロフィールを作成するという形で対応してきました。公式ヘルプに書かれていない部分を、事業者や支援側が実際の結果から判断してきたわけです。
つまり今回の改定は、実務ですでにとられてきた対応を、ポリシーの側が明文化したものとも読めます。
改定後:指示そのものが逆になった
改定前の食い違いは、程度の問題として読む余地がありました。「更新してください」「ただし大幅な変更は拒否されます」は、少なくとも文としては両立します。
今回の記述は、この読み方が成り立ちません。一方のページが「閉業マークを付けて新規作成する必要があります」と求め、もう一方が「新しく作成しないでください」と禁じている。同じ行為について、必須と禁止が並んでいるわけです。移転案件を抱えた事業者がどちらのページを先に開いたかで、取る行動が正反対になります。今回書き換わったのはポリシーの概要ページだけで、関連するヘルプ側の整合はまだ取られていない、というのが執筆時点の状況です。
対象になるのは、場所と強く結びついた業種に限られる?
今回追加された記述は、「ビジネスの物理的な実態が顧客体験に直結している場合(飲食店、宿泊施設、エンターテイメント施設など)」という条件から始まり、そのあとに移転した場合と住所が間違っている場合の2つの箇条書きが続く形になっています。この条件が箇条書きにもかかるのか、それとも最初の一文だけの話なのかで、対象になる範囲は大きく変わります。全業種の移転が作り直しの対象になるのか、名指しされた3業種のような一部だけの話なのか、という違いです。
普通に読めば、条件は続く箇条書きの前提と受け取るのが自然です。つまり、閉業マークを付けて作り直す必要があるのは、物理的な実態が顧客体験に直結する業種、ということになります。
他の記述と合わせて考えても、同じ方向を向いています。ビジネス プロフィール間でクチコミを移動する には、以前から次の記述があります。
新しい住所に移転し、移転後も同じビジネス名を使用する場合、クチコミは自動的に移動されます。ただし、ホテル、ゴルフコース、観光スポットなどの特定の業種では、クチコミが自動的に移動されない場合があります。
建物や土地そのものが商品になっている業種を特別扱いする考え方は、以前からヘルプにあったわけです。今回の書き方は、その考え方をクチコミの扱いから拠点の扱いへ広げたもの、と読めます。
ただし、名指しされている業種は揃っていません。ポリシーの概要が挙げるのは飲食店・宿泊施設・エンターテイメント施設、クチコミのヘルプが挙げるのはホテル・ゴルフコース・観光スポット。重なるのは宿泊施設だけです。飲食店は「拠点の編集が拒否される」側に挙がっているのに、「クチコミが自動的に移動しない」側には挙がっていません。作り直したプロフィールは別のプロフィールですので、飲食店が移転して作り直したあとに、クチコミが自動で移動することはありません。「場所と結びついた業種」をどう定義するかは、ページごとにばらついたまま残っています。
現時点では、飲食店・宿泊施設・エンターテイメント施設と、それに準じる業種は作り直しを前提に考えたほうが安全、というところまでは言えそうです。それ以外の業種については、後述のとおり実際の挙動を見て判断することになります。
移転で作り直す場合に踏む手順
作り直しが必要なケースに当たると判断した場合、実際に踏む手順は次のようになります。
- 公式サイト・SNS・各種掲載サイトの住所を、先に新住所へ直しておく(必須)。GBPの住所とWeb上の住所が食い違っていると、Googleから不審な変更と見なされ、停止につながることがあります。移転作業の一番はじめに、掲載先を洗い出して直します。
- 旧プロフィールの電話番号を、閉業マークを付ける前に削除しておく(必須)。同じGoogleアカウント、または同じビジネスグループの中に「閉業した旧店舗」と「新しく作った新店舗」が並び、電話番号が一致していると、Google側が2件を同じビジネスとして扱います。公式ヘルプには書かれていませんが、実務では実際に起きている挙動です。現れ方は1つではないようです。2件が統合される、新しく作ったプロフィールが旧店舗の情報で書き換わる、新しく作ったプロフィールが重複扱いになり、入力した情報が閉業側のプロフィールに反映される、といったケースが確認されています。どの形になるかを事前に見分ける方法は、現時点では分かっていません。新店舗が同じ番号を引き継ぐ場合はとくに気をつけてください。
- 旧プロフィールに閉業マークを付ける。プロフィールの「プロフィールを編集」から[営業時間]セクションを開き、営業時間の横の編集アイコンで[閉業]を選んで保存します(ビジネスに閉業マークを付ける)。閉業マークを付けたプロフィールは検索やマップから消えるわけではなく、閉業と明示されたうえで表示され続けます。
- 新しい拠点でプロフィールを作成し、オーナー確認を行う。このとき、固定看板の写真をカバー写真に登録しておくことをオススメします。新規作成とオーナー確認は「実在する店舗か」「看板とプロフィール名が一致しているか」を見られる工程ですので、看板写真は審査でも、万一停止された際の説明材料としてもそのまま使えます。
なお、移転しておらず住所の表記が間違っているだけという場合は、今回の記述でも作り直しの対象外です。Googleに問い合わせるよう案内されていますので、閉業マークを付けてしまわないよう注意してください。
近距離の移転はどうなるのか
実務でいちばん判断に迷うのは、同じ商圏の中で数百メートル移るような近距離の移転です。従来は、こうした移転は既存プロフィールの住所更新で素直に通ることが多く、逆に商圏がまるごと変わるような大移動は「別の店」「入れ替わり」と見なされて停止されやすいため、前述のとおり閉業と新規作成で対応してきました。
変更前の文面には「大幅に変更する編集は拒否されます」とあり、程度による線引きが一応は読み取れました。今回の文面からは、その「大幅に」が消えています。距離や程度の区別がなくなり、すべての移転を作り直しの対象として読める書き方です。ただ、前述のとおり関連ヘルプの記述は従来のままですので、現時点では、書かれている内容だけで運用が切り替わったと断定はできないと考えています。
当面の判断材料になるのは、管理画面の挙動そのものです。住所の編集を出してみて拒否されるのであれば、それが今回の記述どおりの運用が始まっている証拠になります。逆に従来どおり編集が通り、クチコミもそのまま移動するのであれば、少なくともその業種・その距離では運用が変わっていない、と見ることができます。
商圏内の移転案件であれば、実務的な順序としては、旧プロフィールに閉業マークを付ける前に、住所の編集がどう扱われるかを先に見るという流れになります。閉業マークは付けるだけなら簡単ですが、付けたあとに「住所の更新でも通った」と分かった場合、閉業と表示されていた期間の影響までは取り消せません。
筆者の側でも、今後の編集の通り方やクチコミの移動などについて引き続き確認していきます。移転案件で実際の挙動を確認された方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せいただければと思います。
まとめ
- 2026年8月25日ごろ、GBPヘルプ「ポリシーの概要」に「移転した場合は既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで、新しい拠点でプロフィールを作成する必要がある」と明記されました。
- 新しいのは、ビジネス名も業態も変えない移転まで作り直しの対象と読める点です。店名がまるごと変わる場合の作り直しは、以前からのルールでした。
- 移転を扱う別の公式ページは執筆時点でも「新しく作成しないでください」のままで、記述が矛盾しています。この食い違いは今回はじめて生まれたものではありません。
- 対象は、場所と強く結びついた業種に限られる可能性があります。断定はできませんが、飲食店・宿泊施設・エンターテイメント施設は作り直しを前提に考えてください。
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