Googleビジネスプロフィールの日本語カテゴリ、実は重複してるの知ってた?「公園」が2つ、「修道院」が3つ存在する”同名カテゴリ”の正体

Googleビジネスプロフィールでカテゴリを選んでいて、「あれ、同じ名前のカテゴリが2つ出てくる」と感じたことはないでしょうか。実はこれ、見間違いではありません。カテゴリは内部的には英語名で管理されていて、日本語の表示名は「訳語」にすぎないため、日本語では同じ名前なのに英語では別物というカテゴリが意外なほど多く存在します。本記事では、筆者がビジネスプロフィールを操作していて見つけた重複の例と、日本語/英語の管理画面で挙動が変わるという検証結果、そして選ぶときの確認ポイントを整理します。

カテゴリは英語名で管理されている

まず仕組みの解説から。Googleビジネスプロフィールのカテゴリは、ひとつひとつにもとになる英語名があります。私たちが管理画面で目にする日本語のカテゴリ名は、その英語名に対して付けられた訳語という位置づけで理解すると良いと思います。

ここで起きるのが「翻訳の衝突」です。英語では別の単語でも、日本語に訳すと同じ表記になってしまっているものがあります。その結果、管理画面のカテゴリ検索でまったく同じ日本語名が複数並ぶという現象が起こります。

筆者はこれを、英語圏の企業であるGoogleが日本語を含む各言語へ翻訳していくうえでの、ローカライズの限界ではないかと考えています。突き詰めると、「ある概念を文化的にどの粒度まで分解して捉えるか」という尺度が言語・文化によって異なることが背景にあるのだと思います。

「修道院」はまさにその一例で、英語カテゴリでは Abbey・Convent・Monastery と区別されていますが、日本語ではいずれも「修道院」とひとくくりに捉えられ、3つ重複して存在している実態があります。これは日本においては確かに一般的な考えかたであり、英語圏ほどに細かく分ける語彙が日本語にはおそらく存在しません。英語側の細かな区分を日本語に落とし込もうとすると、同じ「修道院」へ集約され、結果として同名カテゴリが並ぶというわけです。

この3つは、英語では「誰が修行し、暮らす場か」によって呼び分けられています。Monastery は主に男性の修道士(monk)が共同生活を送る修道院を指し、Convent は主に女性の修道女(nun)が暮らす修道院を指します。一方でAbbey は、修道院長(abbot/abbess)が統括する、独立した格式の高い修道院を指す呼び名で、男女という軸よりも「組織としての位置づけ」で区別される言葉です。日本語ではこれらをまとめて「修道院」と呼ぶため、英語の3区分が同じ表記に集約されてしまうわけです。

余談ですが、筆者はベルギービールが好きで、シメイをはじめとする修道院系のビール(アビービール)を飲みながら、「そういえば修道院にもいろいろあるけれど、何が違うんだろう」と考えたことがありました。カテゴリの重複を調べていて、「英語ではちゃんと別名で存在しているのか!」とちょっと感動したことがあります。こうした身近なところから英語の呼び分けに行き着くのも、カテゴリを掘る面白さかもしれません。

つまり、何が言いたいかというと、日本語環境で見た目が同じカテゴリでも、英語名が違えばまったく意味が異なる別カテゴリの可能性があるということです。

日本語名が同じでも英語では別物のカテゴリ例

実際に管理画面のカテゴリ検索で確認したところ、日本語名が同一で英語名が異なるカテゴリが数多く見つかりました。代表的なものを挙げます(英語名は、管理画面を英語環境に切り替えると確認できます)。

日本語名 英語名
公園 Park / Playground
歴史博物館 History museum / Heritage museum / Historical place museum
修道院 Abbey / Convent / Monastery
公認会計士 Accountant / Certified public accountant / Chartered accountant
雑貨店 General store / Variety store
リサイクル ショップ Second hand store / Thrift store
酒店 Liquor store / State liquor store
美容院 Hair salon / Hairdresser
中華料理店 Chinese restaurant / Mandarin restaurant

筆者が確認できた範囲では、ひとつの日本語名に対応する英語名は多くても3種類でした。3つあったのは「歴史博物館」(History museum / Heritage museum / Historical place museum)、「修道院」(Abbey / Convent / Monastery)、「公認会計士」(Accountant / Certified public accountant / Chartered accountant)などです。なお、ここで挙げたのはあくまで筆者が見つけたものにすぎません。全カテゴリを網羅的に調べたわけではないので、ほかにも同様の重複はあると思います。

検証:日本語環境では同名カテゴリを重複登録できない

ここからが今回いちばん興味深かった挙動です。同じ日本語名のカテゴリを両方とも一つのプロフィールに設定できるかを、検索結果の管理画面(NMX)で試してみました。

結果は、日本語環境では同名カテゴリを重複して登録できないというものでした。たとえば「公園(Playground)」をすでに登録しているプロフィールに、もう一方の「公園(Park)」を追加しようとしても設定できません。日本語名が同じだと、システム側が重複とみなすような挙動になります。なお、日本語環境から設定するときは「公園」「公園」としか表示されないため、そもそも自分がどちらを設定しようとしているのかさえ分かりません。

ところが、管理画面の言語を英語環境に切り替えてから操作すると、両方を別々に設定できました。英語環境では Playground と Park は明確に別の名前として表示されるため、それぞれを独立したカテゴリとして追加できる、という結果です。なお、この状態で日本語環境に言語を切り替えると、きちんと公園が2つ保存、表示されています。(※記事冒頭の画像)

同じプロフィールでも、操作する言語環境によって登録できるカテゴリの組み合わせが変わる。これを知っておくと、「どうしてもこのカテゴリを併用したい」という場面での選択肢になります。なお、こうした挙動は執筆時点(2026年6月)に確認したものです。カテゴリの仕様や管理画面の挙動はGoogleが随時更新するため、最新の状態は管理画面でご確認ください。

正しい英語名で選ぶと何が良いのか

「日本語名が同じなら、どっちを選んでも大差ないのでは」と思うかもしれません。しかし、英語名のニュアンスを踏まえて選ぶことには意味があります。

英語名は単なる別表記ではなく、それぞれ意味が異なるから存在していると考えられます。たとえば中華料理店の Mandarin restaurant は北方系・標準的な中華のニュアンス、Chinese restaurant は中華全般を指す広い表現と読めます。酒店の State liquor store は、米国の州営(公営)酒販店という背景を持つ語です。こうした違いを理解せずに選ぶと、実態と少しずれたカテゴリを掴んでしまうことがあります。

正しい英語名で選ぶメリットとして、まず挙げられるのがインバウンド(訪日外国人)への分かりやすさです。Googleマップを英語など外国語環境で見ているユーザーには、カテゴリも英語名で表示されます。実態に合った英語名を選んでおけば、外国人ユーザーにとって「このお店が何の店なのか」が正確に伝わります。

もう一点、Googleのローカル検索の関連性判定の面でもメリットがあるかもしれません。ただしこれは現時点で確証のある話ではなく、あくまで推測です。カテゴリがローカル検索の関連性に影響する重要設定であることは公式にも示されていますが、「同名カテゴリのうちどの英語名を選ぶと有利か」までは公表されていません。過度な期待はせず、まずは実態に最も合うものを正確に選ぶという基本に立つのが安全です。

カテゴリを選ぶときの確認ポイント

同名カテゴリで迷わないための、実務的なチェックポイントをまとめます。

  1. 日本語名だけで選ばない。 同じ名前が並んでいたら、それぞれの英語名まで確認して正体を見分ける。
  2. 「自店はどれであるか(IS a)」で選ぶ。 英語名のニュアンスを踏まえ、最も実態に近いものをメインカテゴリにする。
  3. インバウンド対応を重視するなら英語名の伝わりやすさも判断材料に。 外国語環境では英語名が表示される前提で選ぶ。
  4. どうしても同名カテゴリを併用したい場合は言語環境を切り替えて試す。 ただし不自然なカテゴリの盛り込みは避け、関連性が薄いものを足さない。
  5. カテゴリ変更はオーナー確認の再発を招くことがある。 繁忙期やキャンペーン直前の変更は避け、落ち着いた時期に行う。

カテゴリはローカル検索の関連性に直結する最重要設定のひとつです。だからこそ、見た目の日本語名に流されず、英語名で正体を見極めて選びたいところです。

まとめ

  • Googleビジネスプロフィールのカテゴリはもとになる英語名で管理され、日本語名はその訳語。日本語名が同じでも英語では別物のカテゴリが多数ある。
  • 公園・歴史博物館・修道院・公認会計士・雑貨店・酒店・美容院・中華料理店などに重複があり、確認できた範囲では3種類が最多の重複
  • 検証では、日本語環境では同名カテゴリを重複登録できないが、英語環境からなら両方設定できた(執筆時点の挙動)。
  • 正しい英語名で選ぶとインバウンドに伝わりやすい。ローカル検索上のメリットは推測の域で、確証はない。
  • まずは日本語名だけで選ばず、英語名で正体を確認し、実態に最も合うカテゴリを選びましょう。

気になる方は、まずご自身のプロフィールのカテゴリ検索で、よく使うカテゴリの英語名を確認してみてください。思わぬ「同名の別カテゴリ」が見つかるかもしれません。

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株式会社mov所属/観光庁DMO外部専門人材(Google Maps活用での誘客、周遊促進サポート)/Googleビジネスプロフィール ゴールドプロダクトエキスパート/観光地である伊豆出身なこともあり、観光地の消費額増大、地域活性化に貢献したいと思っています。/Googleビジネスプロフィール ヘルプコミュニティ(https://support.google.com/business/community?hl=ja)にてボランティアで回答中。

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