GoogleマップにAI質問機能が追加 「この場所についてマップに質問する」の仕組みと注意点まとめ

Googleマップアプリにおいて「この場所についてマップに質問する」という従来のQ&Aに変わると言える機能が確認できました。Newと表示されていますが、2025年11月28日現在、全環境に表示されているわけではなく、一部のGoogleアカウントのGoogleマップアプリ環境にのみ表示されている機能です。

「この場所についてマップに質問する」の表示環境はマップアプリのみ

2025年11月現在においては「この場所についてマップに質問する」はGoogleマップアプリでのみ確認出来ます。GoogleマップのPC環境や、Google検索のPC環境、スマートフォンの検索環境においては表示されていません。

「この場所についてマップに質問する」の基本機能

「この場所についてマップに質問する」という新機能は「知りたいことは?」に質問を入力するか、音声で入力する、もしくは選択肢として表示されている項目から選択すると、AIによって質問の返答が得られる機能となります。

質問を何らかの形で入力するとAIが質問に対して回答を生成してくれます。なお生成される情報の情報源はユーザーが入力したクチコミ、使用された他のソースとして公式サイト、グルメ・情報サイト、SNS等があるようです。

質問を入力する、選択肢から選ぶ使い方

質問の入力方式の中でタイプして入力するか、選択肢から選択する方法を選択すると、入力した内容に応じてAIが回答を生成してくれます。回答内容によってはテキストのみで返ってくる場合、ユーザーが投稿した写真を含めて回答内容が返ってくる場合等があります。

情報が不順分だと結果が得られないことも

Googleがアクセスできる情報源に十分な情報がある場合は返答が生成されますが、上記のように音声で長文で入力(例として 渋谷のお店に対して恵比寿駅からだとどれぐらいで行けるのかな? と聞いています)したり、クチコミが少ないなど、情報が不十分だと、回答するための十分な情報が見つかりませんでした。 と回答が返ってくることがあったり、〜については明確ではありません。と回答が返ってきました。

情報源はGoogleクチコミ、公式サイト、グルメサイト、SNSなど様々

情報源として参照されているものは、検索側のAIモードと良くにており、Googleに投稿されたクチコミはもちろん、公式サイト、ブログ、グルメサイト、情報サイト、SNSなどが情報として参照されているようです。

軽く検証した現段階においては、グルメサイトのクチコミ自体は情報源として表示はされていませんが、AIモードではグルメサイトのクチコミも情報源として表示されていたので、今回のGoogleマップアプリの「この場所についてマップに質問する」についても、グルメサイトのクチコミ等も参照していたとしてもおかしくはありません。

「この場所についてマップに質問する」が表示されないカテゴリーもある

2025年11月28日段階での検証ではそこまで多くの店舗でこの機能を確認してはいませんが、この記事を書くために数十分程度見た感じでは、一例として下記のカテゴリーの店舗では「この場所についてマップに質問する」機能を確認できませんでした。(※他にもまだあると思います。)

  • 小学校
  • 中学校
  • 高校
  • 病院
  • 警察署
  • 刑務所
  • 拘置所
  • 神社
  • 仏教寺院
  • ソープランド
  • ナイトクラブ
  • ATM

学校に関しては義務教育の学校に関してはクチコミが非公開になった経緯もありますので、今回の対象からは外れそうな気がしていました。警察署等に関してもクチコミは原則存在しませんので、対象外となっているのでしょう。

神社、仏教寺院等についてはクチコミは多数存在していますが、宗教的な観点からもこの機能の対象外となっているようです。ソープランド、ナイトクラブなどの大人のお店の場合もこの機能の対象外となっています。なお、バーについては「この場所についてマップに質問する」が確認できましたので、いわゆる禁止コンテンツに該当するカテゴリーが全て対象外というわけではなく、なんらかの線引はありそうです。

ATMについてもこの機能の実装を確認出来ませんでしたが、ATMの場合はクチコミも少なく、ウェブ上の情報源も少ないので、単純に極端に情報不足の場合は対象カテゴリーであったとしても機能として表示されないのかもしれません。

2025年11月末時点ではテストで終わる可能性もある

この記事を執筆している2025年11月28日時点では、私がアクセス可能な複数のGoogleアカウントのうち1つでしかこの機能を確認できていません。非常に便利で面白い機能ではありますが、一時的なテストであって本格実装されない可能性はゼロではありません。

この「この場所についてマップに質問する」機能が本格的に実装されれば、従来の「質問と回答」機能のリプレイスになるでしょうし、ユーザーにとってもクチコミ、公式サイト、グルメサイト等の情報から回答が生成されるわけですので、あまり利用されているとは言えなかった「質問と回答」ではなく、一定の信憑性が担保された情報を得られることになります。

「この場所についてマップに質問する」機能において想定されるリスク

「この場所についてマップに質問する」機能は、AIによって様々な情報源を元にして回答が生成されます。こうした背景から、Googleが参照する情報源が古い、クチコミが荒らされている、情報源がすべてネガティブ等の場合には、ユーザーに本来の体験とは異なる生成結果を提供する恐れがあります。

AIが参照する情報は必ずしも最新の情報ばかりではありませんので、営業時間が古い、キャンペーン情報が古いといったことで、誤った回答が生成される可能性もあります。また、クチコミはあくまでもユーザーの自由意志で自由に書かれるものであり、Googleは内容の真偽判定はしません。そのため、たまたま獲得できているクチコミの9割がネガティブだった場合、AIが生成する内容もネガティブな内容を参照した生成内容になると考えられます。

AIが生成した回答内容が間違っている時の報告はどうする?

2025年11月末時点で、AIが生成した回答に対して間違っていると報告を行う導線は見た感じなさそうです。こういった時はGoogleマップアプリならではの手法として「シェイクしてフィードバックを送信」という機能がありますので、この機能を使うと便利でしょう。

問題と思われる回答を表示した状態でスマートフォンを振ると、上記のフィードバック画面が立ち上がりますので具体的な問題を入力した後に撮影された「スクリーンショット」にハイライトを入力するなどしてわかりやすくして、送信してください。なお、「シェイクしてフィードバックを送信」はGoogleマップアプリ内の設定画面でONにする必要があります。

具体的なクチコミ、公式サイトやグルメ・情報サイトの情報量、情報の整合性が重要になる

AIモードは「クエリ・ファンアウト」という技術を使って情報を集約しています。これは関連する複数の検索をサブトピックも含めて同時に複数の情報源から実行し、それらを集約してわかりやすい結果を提供する技術です。

これにより検索ユーザーはより広く深い情報にアクセスが可能になるという技術ですが、こうした特性から、ユーザーの検索に対して、クチコミ、公式サイト、ブログ、グルメ・情報サイト、SNSまでも横断して情報を収集してきますので、クチコミに書かれている具体的なユーザー体験がなかったり、公式サイトや複数サイトの営業時間、提供商品やメニューなどの情報量が十分になかったり、内容が情報源によってバラバラだと、得られる回答も正確でなかったり、ユーザーを混乱させる内容になる可能性があります。

検索にも、GoogleマップにもAIが入り、AIによって生成された結果が得られる時代になってきた昨今、店舗事業者においては、

  • 具体的な体験を含むクチコミを集める
  • 公式サイト、グルメサイト、情報サイトに店舗情報を充実させる
  • 公式サイト、グルメサイト、情報サイトの店舗情報に整合性を持たせる
  • SNS等でしっかりと最新情報を発信する

こうしたことを意識的に取り組むことが本格的に重要になってくるでしょう。

About moto-local 51 Articles
株式会社mov所属/観光庁DMO外部専門人材(Google Maps活用での誘客、周遊促進サポート)/Googleビジネスプロフィール ゴールドプロダクトエキスパート/観光地である伊豆出身なこともあり、観光地の消費額増大、地域活性化に貢献したいと思っています。/Googleビジネスプロフィール ヘルプコミュニティ(https://support.google.com/business/community?hl=ja)にてボランティアで回答中。

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