Googleマップ「虚偽の、または誤解を招くコンテンツやクチコミ」徹底解説、事業者のクチコミ集めのベストプラクティスとは?

Google マップに関しては様々なポリシーが存在し、ビジネスプロフィールを使っているユーザーにとっても守るべきポリシーが複数含まれています。その中にはマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプというヘルプページが存在し、禁止または制限されているコンテンツというページの中で、マップユーザーがGoogleマップにおいて投稿や共有することを禁止、制限されているコンテンツについて解説されています。

禁止または制限されているコンテンツの中では、いわゆる虚偽のエンゲージメントという内容で語られることが多いコンテンツや行為について詳細が解説されています。2026年2月に入ってから、この部分のポリシーが今まで以上に詳しくなり、ビジネスプロフィール界隈では少しホットな話題となっています。

(虚偽の、または誤解を招くコンテンツや行動 より引用)

該当部分の名称が虚偽の、または誤解を招くコンテンツや行動に変わったことに加えて、ユーザーとして、事業者として注意すべき項目がわかりやすく記載された点もあるので、既存の内容も含めて虚偽の、または誤解を招くコンテンツやクチコミについて解説していきたいと思います。

コンテンツ、クチコミは実体験に基づいたもので、誠実かつ公平である必要がある

GoogleはGoogleマップの信頼性、確実性、有用性の維持を重要視しています。そのため実体験に基づかないコンテンツやクチコミの投稿は禁止されていますし、クチコミ内容やクチコミスコアについても、誠実かつ公平なユーザー体験を投稿することを求めています。そして虚偽の内容、偏った内容については、これを特定し削除する仕組みを構築しています。

虚偽のエンゲージメントは禁止されており削除対象

虚偽のエンゲージメントとは、実体験とは異なる虚偽のコンテンツ全般だと考えるとわかりやすいです。実体験に基づかないクチコミ、クチコミスコアを投稿することが直接的な禁止行為となりますが、ポリシーでは以下のように解説されています。

(虚偽の、または誤解を招くコンテンツや行動 より引用)
  • 実体験に基づいていないコンテンツや、対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ。
    • (※補足)実際には満足していないが、満足していると書かれたクチコミも該当するでしょうし、対象の店舗での経験だとわからない、明らかに別店舗でのクチコミなどが該当するでしょう。
  • 直接的な金銭または現物が対価として支払われたクチコミまたは評価。
    • (※補足)いわゆるインセンティブによって投稿されたクチコミやクチコミスコアが該当します。セミナー等で「お金以外なら良いのでしょうか?」という質問を事業者から受けることが多いですが、金銭以外のプレゼント、ポイント、クーポンなども全て禁止となります。
  • 1 人のユーザーによって、またはそのユーザーの依頼により、複数のアカウントから投稿されたコンテンツ。
    • (※補足)1人のユーザーアカウントでは特定の1店舗に対してクチコミは一回しか書くことができませんが、ユーザアカウントを複数使い分けることで、複数のクチコミを書く事は技術的に可能です。ただし、この行為が禁止行為に該当します。

      加えて、特定のユーザーから複数のアカウントに対してクチコミ投稿を依頼することも禁止と明記されていますので、自分の行きつけのお店に関してのクチコミ投稿を親しい知人等に依頼することも禁止と考えることが出来ます。
  • エミュレータ、デバイス改ざんツール、改変された OS、またはその他の手段を使用した、実際のエンゲージメントの模倣、センサー データや結果の操作、あるいは Google マップの通常の動作の妨害または混乱を目的として投稿されたコンテンツ。
    • (※補足)何らかの操作によって、実際のエンゲージメントを模倣する行為、全般が禁止されていると書かれています。わかりやすく言うと、一般ユーザとして通常のフローでクチコミ投稿しましょうということですね。
  • 実体験に基づいていないコンテンツの投稿を募ったり促したりする行為。
    • (※補足)例えば事業者から食べてもいないメニューのクチコミ投稿を依頼したり、満足していないお客さんに対して高評価のクチコミを書いてもらうように依頼する行為が該当するでしょう。
  • クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。
    • (※補足)直接的な金銭または現物が対価として支払われたクチコミまたは評価、という項目で語られている項目ですが、Googleマップのクチコミ投稿においてインセンティブの提供は全て禁止されています。
  • 競合他社のお店やビジネスについて、その企業や商品の評判を傷つけるコンテンツを投稿する行為。
    • (※補足)意外と知らない事業者も多いですが、競合他社を含む自分以外のお店について、評判を貶めるコンテンツ投稿はしてはいけないということです。

評価の操作はインセンティブ付きクチコミや偏ったクチコミが含まれ削除対象

(虚偽の、または誤解を招くコンテンツや行動 より引用)

2月のタイミングで新しく加わった項目ですが、お店の評価を操作することを目的として投稿されたコンテンツは禁止されています。インセンティブ、異常な量やパターンのクチコミ、利益相反に関するコンテンツ、クチコミの募り方などが詳しく説明されており、ポリシーでは以下のように解説されています。

  • 企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されているコンテンツ。これには、インセンティブと引き換えにクチコミや評価の修正や削除の依頼を受けて投稿されるコンテンツも含まれます。
    • (※補足)何度も登場する項目ですが、インセンティブ提供と引き換えに投稿されるクチコミは禁止されており、インセンティブ提供によってクチコミ内容、クチコミスコアの修正や削除を依頼することも禁止となります。
  • 場所の評価を操作しようとする試みを示唆する、異常な量またはパターンのクチコミ投稿が見られるコンテンツ
    • (※補足)この部分はGoogleがそのように解釈した場合という注釈が必要かもしれません。今までの傾向からすると考えられないほどの量のクチコミが投稿されたり、クチコミスコア5ばかりが集中して投稿される場合に、Googleは「場所の評価を操作しようとする試み」と捉える可能性があるということです。量の急増という意味では、店頭でクチコミ投稿キャンペーンのようなものを実施すると、「場所の評価を操作しようとする試み」と捉えられ、せっかく集めたクチコミが削除される可能性があると言えそうです。
  • 利益相反に基づくコンテンツ。利益相反には、現在または過去の雇用関係、契約関係や顧問関係、利益相反となるその他の職業上のつながりや個人的なつながり(業界の競合他社、家族関係など)が含まれます。
    • (※補足)事業者で知らない方も多い内容ですが、元従業員、スタッフ、アルバイト、取引先、家族、友人などによるクチコミ投稿は禁止されています。オープン直後でクチコミが少ないので、スタッフにクチコミ投稿を指示というのは、事業者がやってしまいがちな違反行為です。
  • 顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。
    • (※補足)これがいわゆるゲーティングという行為になります。ゲート(門)を設けて、「良いクチコミを書く方こちら」「悪いクチコミを書く方はこちら」という構造にしてクチコミを募集する行為が禁止されています。

      巷ではこうした機能をツールとして提供しているビジネスプロフィール支援サービスが多数存在します。代表的なものはツール提供のアンケートに回答してもらう際に、評価4、5をつけたユーザーにはGoogleマップへのクチコミ投稿リンクを表示してクチコミを依頼、評価1〜3をつけたユーザーはツール内アンケートに回答してもらいGoogleマップへのクチコミ投稿リンクは表示しないというものです。

      「ポリシー内でゲーティングという文言がないからゲーティングは問題ないんだ」と語るビジネスプロフィール支援サービスもあるようですが、否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為が禁止と書かれているので、単純に読み手の読解力が足りないように感じているのは私だけでしょうか。
  • クチコミを依頼する際、販売者がユーザーにその場で評価を残したりクチコミを書いたりすることを要求または強要する行為は禁止されています。また、特定のコンテンツを含めるよう依頼することもできません。 
    • (※補足)クチコミを積極的に集めている事業者がやりがちな行為について明確に言及された内容となります。クチコミを書く / 書かないはユーザーの自由意志となりますので、ユーザーに対して店内でクチコミを書くことをお願いしたり強要は出来ません。つまり、「クチコミ投稿をお願いします。是非、店内にいる間にお願いします!」といった依頼の仕方は駄目だということになります。

      加えて特定のコンテンツを含めることを依頼することも禁止であると明記されているので、ハンバーグを食べているユーザーに対して「ハンバーグという言葉を使用してクチコミを書いてくださいね。」などと依頼することも禁止となります。
  • 一定数のクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。
    • (※補足)これもクチコミを積極的に集めている事業者がやりがちな行為です。店舗内でクチコミを集めることをスタッフに対して奨励するケースはあると思いますが、「今月は店舗合計で50件クチコミ投稿マストで!」などノルマを課してクチコミを集めていくなどが禁止行為となりそうです。

      月間のクチコミ投稿数に目標数を定めている事業者も中にはいると思いますが、目標を定めて追っていくこと自体が”販売者がスタッフに一定数のクチコミを募ることを要求する行為”に該当するかはポリシーの解釈次第とも言えますし、Googleがどうやってこれを検知するのか?という側面もあります。
  • スタッフを特定するコンテンツなど、具体的なコンテンツを含むクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。
    • (※補足)スタッフを言及したクチコミもクチコミを積極的に集めている事業者がやりがちな行為ですね。特にマンツーマンで施術を受ける美容系、ヘアサロンなどがこうしたクチコミを積極的に集めている印象があります。

      上記以外にも例を出すとキリがありませんが、自動車ディーラー、家電量販店、出張修理系サービスなど、マンツーマンでユーザーに接する事業者であれば、スタッフ名をクチコミに含めてもらえませんか?と依頼している事業者も一定数いると思いますが、事業者がスタッフに対して、スタッフ名を記載したクチコミ投稿をユーザーに依頼するよう要求することは禁止行為となります。

      なお、該当のスタッフが退職した場合、退職したスタッフからするとクチコミを消して欲しいと思いつつ、クチコミの著作権はユーザーに属するため事業者判断でクチコミは消せずという悪循環になるケースもありますので、スタッフ名をクチコミに含める行為は別の観点でも問題になると個人的には考えています。

      ユーザーが自発的にスタッフ名を含めてクチコミを書いてくれるケースがありますが、このようなケース関しては事業者がスタッフに依頼した結果と誤認されると、削除対象とみなされてしまう可能性もあると思います。

Googleはクチコミ募集自体を禁じてはいない

禁止行為について長々と解説してきましたが、Googleは事業者がユーザーに対してクチコミ投稿を依頼すること自体を禁じているわけではありません。販売者が行っても問題ない行為としては下記のように記載されています。

今まではここまで説明くさい内容ではなかった記憶ですが、インセンティブを提供したり、評価やクチコミの内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づくコンテンツの投稿を募ったり促したりすることは許可されると書かれています。

事業者からするとユーザーにクチコミ投稿を依頼することで、店舗のクチコミスコアを改善しようと考えたり、一定数のクチコミ数を獲得しようと考えるわけですが、ポリシーとしてはそうした考えは捨てて、ただクチコミを募る行為のみをせよと書かれています。

この部分に関しては、プラットフォーマーとしてのGoogle、その上に店舗という地点情報を管理する事業者のやりたいことが一致することは原則ないだろうと個人的には考えています。Googleは真摯なクチコミだけを集めたい、事業者としては高評価のクチコミを多数獲得してクチコミスコアを上げたい。両者の利益は一致しないわけです。

事業者としてのクチコミ集めのベストプラクティスとは?

現実的に事業者が取るべきクチコミ集めのベストプラクティスは何かと考えると、極論としてはクチコミ投稿を依頼するものの、あくまでも自然増に任せるということになります。その上で事業者が取るべきベストプラクティスをいくつか整理してみました。

  • クチコミ投稿の導線を整備する
    • 店内POP、レシート、掲示物、店舗カードなどにクチコミ投稿リンクのQRコードを設置、サンクスメールにクチコミ投稿リンクを挿入、公式SNSからの自然なクチコミ投稿リンクの案内。こうしたものを常設、声がけはあくまで軽くし、クチコミ投稿キャンペーンのようなものは避ける。
  • 店舗での体験価値を上げる
    • 通常クチコミというのはユーザーの感情が大きくプラマイどちらかに触れた時に自発的に書かれることがあります。驚くような素晴らしい体験をした、あり得ないと思うほど酷い接客だったなどがこれに該当します。つまるところ、訪れたユーザーの何割かが感動する体験価値を提供すれば、自ずと高評価のクチコミが自然に増えていくと言えるでしょう。
  • 返信を本気で行う
    • しっかりとしたクチコミが書かれている店舗、ユーザーのクチコミに対して会話をするように打ち返している返信を行っている店舗のほうが、信頼できる店舗とユーザーは考えます。こうしたやり取りの積み重ねを繰り返すことで、「クチコミを書くとここまで丁寧な返信をもらえるんだ」と捉え、クチコミを書きたくなる新規ユーザーが一定数発生します。
  • 数字目標をKPIにしない
    • クチコミ数やクチコミスコアをKPIにすると、達成のためにどうしても評価を操作する目的でのクチコミ依頼が発生します。「今月50件クチコミを増やす」ではなく、「お声がけ率70%」などの目標にすれば、どう解釈するか次第ではありますが、直接的に評価を操作する目的ではないと言えるかもしれません。
  • 低評価クチコミを気にしない
    • 低評価クチコミを非常に気にする事業者も多いですが、クチコミ件数が多いのにクチコミスコア4.9などのお店はどう考えても不自然です。また、低評価クチコミは店舗で起こり得るミスリードを代弁してくれているクチコミとも言えますので、本気で返信をすることで未来のユーザーに対しての注意喚起にもなります。そのためどのような評価のクチコミ投稿であっても「投稿してくれてありがとう。」という気持ちで接することが重要です。

About moto-local 58 Articles
株式会社mov所属/観光庁DMO外部専門人材(Google Maps活用での誘客、周遊促進サポート)/Googleビジネスプロフィール ゴールドプロダクトエキスパート/観光地である伊豆出身なこともあり、観光地の消費額増大、地域活性化に貢献したいと思っています。/Googleビジネスプロフィール ヘルプコミュニティ(https://support.google.com/business/community?hl=ja)にてボランティアで回答中。

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*